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求人票の書き方のコツを解説します

求人票の書き方のコツを解説します。求人票作成に慣れていない、応募効果を上げたい採用担当者さんは是非ご覧ください。ご参考になれば幸いです^^

たか
たか
みなさんこんにちは!診断士のたかです。今日は、求人票の書き方のコツをお伝えします。

採用担当
採用担当
採用担当になったばかりで求人票の書き方がわかりません。効果的な求人票を書くポイントについて解説をお願いします!

今日は求人票の書き方についてがテーマですが、みなさんは日頃どのように求人票を書いていらっしゃいますか?

「特に意識せず、決められた項目を埋めているだけ」

「他社の求人票を見てマネしてる」

なんて方もいらっしゃると思います。

求人票ってどう書けばいいかわかりませんよね^^;

求人票の書き方を変えたところで応募がくるようになるんでしょうか?

求人広告会社に10年勤めた経験からいうと、求人票って書き方のコツをおさえると当然、応募効果は上がるんですね。

早く採用を成功させるためにも自社らしく工夫しないともったいないですよ^^

今日は、そんな応募効果を高める求人票の書き方を解説していきますね!

この記事では、採用でお困りの経営者の方、採用担当者の方を主な対象として、求人広告代理店歴10年&中小企業診断士の私が求人票の書き方を解説しています。内容が少しでもお役に立てますと幸いです。

それでは早速内容に入っていきましょう!

求人票の書き方のコツ:必須項目

さて、求人票の書き方について解説するうえで避けられないのが必須項目です。

※この内容は基本的なものなので必要ない方はスキップしてください^^

実は、求人票の必須項目は「職業安定法」という法律でで定められていますので注意が必要ですね。

求人票を書く際は下記の13項目の労働条件の明示は必ず抜けがないようにしましょう。
下記は厚生労働省のHPを元に具体例など追記しています。

  • 業務内容(例:一般事務、営業、エンジニアなど)
  • 契約期間(例:期間の定めなし)
  • 試用期間(例:試用期間あり※3ヶ月)
  • 就業場所(例:〇〇県〇〇市〇〇)
  • 就業時間(例:9:00~18:00)★補足1
  • 休憩時間(例:12:00~13:00)
  • 休日(例:土日、祝日)
  • 時間外労働(例:あり※月平均20時間)★補足2
  • 賃金(例:月給20万円)
  • 加入保険(例:雇用保険、労災保険、厚生年金、健康保険)
  • 募集者の氏名又は名称(例:〇〇株式会社)
  • 派遣労働者として雇用する場合はその旨(例:雇用形態/派遣労働者)
  • 受動喫煙防止措置の状況(例:屋内原則禁煙※喫煙専用室設置)

★1、裁量労働制を採用している場合は「企画業務型裁量労働制により、~時間働いたものとみなされます」のような記載が必要)

★2、時間外労働の有無に関わらず一定の手当てを支給する制度(いわゆる「固定残業代」)を採用する場合は、①基本給〇〇円(②の手当を除く額)、②〇〇手当(時間外労働の有無に関わらず、〇時間分の時間外手当として〇〇円を支給)、③〇時間を超える時間外労働分についての割増賃金は追加で支給、といった記載が必要

必須項目は以上です。

求人票の書き方のコツ:NGな表記について

必須項目を確認したら、次はNG表記についてみていきましょう。

特に注意が必要なものを3つピックアップしました。

年齢制限は原則NG

20代の若手が欲しいからといって、20代歓迎!と書いたらダメです。

逆に経験が必要だから50代以上で募集!という場合ももちろんNGです。

年齢の上限・下限関係なく、雇用対策法では事業主は労働者の募集及び採用について、年齢に関わりなく均等な機会を与えなければならない、と年齢制限の禁止が義務化されています。

そうはいっても、求める人物像と違う層の応募が増えても困る、そう思われる方もいますよね。

解決策は、できるだけ仕事内容を詳しく書くこと。

職場ではどんな人が活躍していて、お客様はどんな人が多いのか、仕事内容の良いところではなく、あえてつらいところも書くことで、フィルターがかかります。

このあたりは求人票を書く6つのポイントで解説しているのでそちらをご覧ください。

また、年齢制限には例外があり、場合によっては年齢制限を行うことが認められるケースがあります。

例外事由 1号 定年年齢を上限として、その上限年齢未満の労働者を期間の定めのない労働契約の対象として募集・採用する場合
例外事由 2号 労働基準法その他の法令の規定により年齢制限が設けられている場合
例外事由 3号 イ 長期勤続によるキャリア形成を図る観点から、若年者等を期間の定めのない労働契約の対象として募集・採用する場合
例外事由 3号 ロ 技能・ノウハウの継承の観点から、特定の職種において労働者数が相当程度少ない特定の年齢層に限定し、かつ、期間のさだめのない労働契約の対象として募集・採用する場合
例外事由 3号 ハ 芸術・芸能の分野における表現の真実性などの陽性がある場合
例外事由 3号 二 60歳以上の高年齢者、就職氷河期世代の不安定就労者・無業者または特定の年齢層の雇用を促進する施策(国の試作を活用しようとする場合に限る)の対象となるものに限定して募集・採用する場合

求人広告の仕事をしていて、よく要望があったのは例外事由3号イですね。

年齢制限をする場合はしっかり確認して表記するようにしましょうね。

性別の限定記載もNG

男性だけ募集したいから男性歓迎と書いてしまう、これもNGですね。逆も同じです。

男女雇用機会均等法では、「事業主は、労働者の募集及び採用について、その性別にかかわりなく均等な機会を与えなければならない」と定められているからです。

細かいですが、求人票の職種や資格の表現でも注意しなければならない点があるので少しご紹介します。

◆職種名の表現

例1、営業マン✕ 営業マン(男女)〇

例2、ウエイター✕ ウエイター・ウエイトレス〇

例3、看護婦✕ 看護師〇

なんとなく普段から使っている表現でも、よく見ると引っ掛かりそうなものがあるので注意が必要ですね^^;

就職差別につながるとみなされる表現

国籍や特定の地域、性格などに対しての表記は注意が必要です。

特定の人を傷つける表現は差別表現にあたるために労働基準法に抵触する可能性があります。

例えば、

  • 「元気で明るい方」
  • 「国籍不問」
  • 「地元の方歓迎」

などはいずれもNGです。

対処としては「元気で明るい方」、ではなく「元気で明るい接客ができる方」に変えるなど伝え方を工夫すればなんとかなることもあります。

求人票の書き方のコツ:6つのポイント

さあ、お待たせしました。

ここからがみなさんが気になる部分ではないでしょうか?求人票の書き方のコツを6つお伝えします。

ターゲットを決める

採用ターゲットを明確に決める、これが重要なんですよね。でも案外、プロでも設定が甘かったり、そもそも設定していない人もいるんですよ^^;

求人票を見た人が、

「これ自分のことを言ってるのかな?」

とか

「この仕事は自分じゃないな」

このように、求人票を見た段階である程度、誰に向けた仕事なのかわかるレベルでターゲットを設定したいものですね。

じゃないと、採用したい層からは反応がなく、ターゲット以外から応募が増えてしまって処理に困ってしまいます。

手当たり次第に、応募を集めるという発想は効率的ではありません。

では、ターゲットってどう決めたらいいのかというと、

  • 性別
  • 年齢層
  • 属性(例:学生、主婦)
  • 年収
  • 家族構成
  • 居住地
  • 経験・スキル(例:〇〇職の経験、〇〇資格保持)
  • 性格
  • 重視する価値
  • 気がかりなこと
  • 尊敬する人
  • 主な情報源
  • 主な入社理由(想定)

などの切り口で考えると特定しやすいですね。

いやいや、多すぎ!って思われました?

大丈夫です!もっと簡単な方法があります。

募集する職種で今現在働いているスタッフで求める人物像に近い人がいたら、その人のことをできるだけ言葉にして書き出してみましょう。

書き出すのは上記の項目である程度大丈夫です。

少し抽象的に手直しする必要はあると思いますが、空想で考えるよりもずっと現実的で良いターゲット設定ができると思いますよ^^

ターゲットに向けた自社のアピールを書く

ターゲットを決めたら、次は自社のどんな情報を相手に伝えるかですね。

あれもこれもアピールしてしまっていたら、結局何を言いたいのかわからなくなります。

だからターゲットに向けてしっかり伝えたいことを絞りましょう!

これは、ターゲットごとに異なるので色々なことが考えられるのですが、わかりやすい例を用いますとこんな感じです。

ターゲット:子育て中の主婦(30代、子供は未就学児)

アピール:子育て中のスタッフが多く、急なお休みにも理解のある職場です。

お子さんがまだ小さい主婦の方ですと、不安なのが子供が急な病気にかかってしまうことだと思います。そんな方は急なお休みにも理解がある職場なんだとアピールされると、安心感につながり、応募しやすいですよね。

このように、ターゲットが知りたい情報を元にアピールするようにしましょう。

具体的に書く

次に、具体的に書くこと、です。

具体的に書かないと求職者に情報が伝わらないため、応募獲得につながりません。

具体的に書くポイントは2つです。

1つ目は、5W1Hを意識する、ということ。

5W1Hは知っている方は多いと思います。

当たり前のことかもしれませんが、5W1Hがしっかり情報として入っていない求人票は曖昧な表現になってしまいます。

  • いつ
  • どこで
  • 誰に
  • 何を
  • なぜ
  • どのように

仕事内容を書く時などは特に注意したいものです。私も求人票をチェックする際には、5W1Hを見ていましたが、抜けやすいのでご注意ください。

2つ目は、数字を入れる、ということ。

数字を入れるだけで、説得力が増し具体的になるので数字で表せる内容であれば数字に落とし込みましょう。

例えば、トラックドライバーの求人の場合ですと、

✕→重い荷物を持ち運ぶこともあります。

〇→20㎏の荷物を持ち運ぶこともあります。

どうでしょうか?具体的にわかりやすくなりましたね^^

専門用語を使わない

次に、専門用語を使わない、ですね。これも結構ありがちなことだと思います。

業界の人しかわからないような、専門用語や表現は使わない方が良いです。

せっかく求人票を書いても、読む人に意味が伝わらなかったら意味がありませんよね^^;

だから極力、一般的な誰でも理解できる言葉で求人票を書きましょう。

例をいくつか挙げますと、

  • アテンド→同行
  • アサイン→割り当て
  • アライアンス→提携
  • OJT→実践を通じて行う研修

すみません、ア~はじまる言葉が多くなってしまいました^^;

気を付けていても、普段からよく使う言葉だとついつい求人票にも書いてしまうことがあると思います。

不安な方は、一度第三者に見てもらうことをおすすめします。

写真・動画を使って伝える

次に、写真・動画を使って伝える、です。

これは掲載するメディアによって写真・動画を使える使えないが分かれると思いますが、活用できる場合は積極的に使っていきましょう。

写真や動画は一目でわかる情報が言葉よりも格段に多いし、伝わりやすいですよね。だから、あーだこーだ文章で書くよりも、かなりわかりやすくなります。

例えば、セミナー参加者の様子を伝える場合でも

文章で「当日はたくさんの参加者でにぎわいました」よりも

この写真を見た方が、断然伝わりますよね?

求人の場合でも、写真を撮って載せた方がどんなお店かも一目瞭然です。

動画も、社長のメッセージや社員インタビューとかがあると応募者も具体的に入社後の自分をイメージしやすいですよね。

使える写真や動画があれば積極的に使っていきましょう!

条件面は正確に書く

最後に、条件面は正確に書く、です。

これはトラブルを防止する観点で挙げています。

求人票を書くうえで、給料が高い、休日が多い、残業がない、など条件面で求職者にアピールすることはよくあることですよね。

ただ、事実と異なることを求人票にかいてしまうとせっかく応募をいただいた求職者と、条件面で行き違いがあると採用できるものもできなくなってしまいます。

例えば、

  • 給料(賞与やインセンティブを合わせた年収例)
  • 有給消化の取りやすさ
  • 残業の有無
  • 休日出勤の有無

こういった項目はよく求職者と認識の齟齬がおきやすいので十分注意されてください。

求人票の書き方のコツ:セールスコピーの技法を求人広告にアレンジ!

これを書きたかったからこの記事を書き始めたといっても過言ではありません。

「セールスコピーの技法を求人広告に応用する」

これができるとワンランク上の求人票を作成することができます。もちろん、メディアによっては他にも求人票のキーワードとかを重視した方がいい場合もありますが^^;

求人広告をやっていると、クライアントでたまにいらっしゃるのですが、一字一句こまかい表現方法にまで過度にこだわりすぎないことが大事です。

「てにをは」を変えただけではそんなに効果は変わりませんからね。

※誤字・脱字はだめですが。。。

人手不足の焦りから細かいところが気になってしまう気持ちは察しますが、こまかいところよりも、色んな伝え方を試していき一番効果が良いもの検証する、という目的で気軽に取り組むといいと思います。

その方が頭も柔軟に切り替えていけますよ^^

今後、セールスコピーの技法を紹介した別記事のリンクを貼っていくので是非ご覧ください。

採用担当者こそマーケティング志向が大事です!

「採用担当者は営業である」

私は、求人広告代理店に10年勤めた経験からこのことを悟りました。

では、採用担当者は「何を・誰に・どのように」売るのでしょうか?

マーケティングとは価値と価値の交換です。求職者は「労働力」という価値を、企業は自社で働くことで得られる「体験」を交換します。

だからこそ、採用担当者は自社で働くことで得られる体験や価値を言葉にし、採用ターゲットに対して訴求していくことが重要なんですね。

アピールする内容は決して、給料が良いから、楽な仕事だから、といった単純なことだけではないと思います。

労働人口が減少し続ける中で、今後さらに求人が難しくなるのは目に見えていますが、いち早くマーケティング志向で取り組まれる方は採用面で大いに有利に立てることでしょう。

まとめ

いかがでしたでしょうか?

求人票はきちんとポイントをおさえると、自社らしく魅力的なものに仕上がります。

ポイントについておさらいですが、

  • ターゲットを明確にすること
  • ターゲットに合わせたアピールを書く
  • 具体的に書く
  • 専門用語を使わない(平易な表現)
  • 写真や動画を使う
  • 条件面は明確に書く

是非、この6つのポイントをおさえて求人票の作成に取り組んでみてください。

求人票の書き方についてご質問がある方はお気軽にお問い合わせください。できる範囲で回答できたらと思います。

このページのお問い合わせフォームをご利用ください。https://cocreapartner.com/goirai/

それではこれで失礼します^^;

ABOUT ME
採用人事コンサルタント 大岩貴文
大手メディアの求人広告営業を10年経験した後、経営コンサルタント唯一の国家資格である中小企業診断士の資格を取得。採用人事に強いコンサルタントとして、採用支援、研修講師、経営改善などを中心に活動中。経済産業省認定経営革新等支援機関、福岡県商工会連合会エキスパートバンク登録専門家。
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