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カスハラとは?事例から学ぶ企業が取るべき具体的対策

近年、企業や従業員を悩ませる問題として「カスタマーハラスメント(カスハラ)」が注目されています。顧客による過剰な要求や迷惑行為が、従業員の精神的・身体的負担を増やし、企業の運営にも悪影響を及ぼしています。

採用コンサルタント:大岩

自分自身が上の立場になると、ついつい横柄な物言いをしてしまう人はいますよね。ニュースでもよく見かける通り、土下座を要求するなど最近では度が過ぎた行為も起きているようです。

この記事では、カスハラとは何かを詳しく説明し、実際の企業や自治体が取り組んでいる対策を具体的にご紹介します。経営者や人事担当者の方は、ぜひ自社の取り組みの参考にしてください。

カスタマーハラスメント(カスハラ)とは?

カスタマーハラスメント(カスハラ)とは、顧客が企業やその従業員に対して行う過度な要求や嫌がらせのことを指します。近年、社会全体で問題視されている背景には、企業活動を妨げ、従業員の精神的苦痛や健康悪化を招くことが理由に挙げられます。特にサービス業や介護業界、交通機関などでは深刻化しており、具体的な問題としては、威圧的な態度、長時間の拘束、不当な要求、SNS上での誹謗中傷などが挙げられます。適切な対応を怠ると、従業員の離職率が高まるだけでなく、企業の評判低下にもつながるため、注目されています。では、実際にどのような事例があるのか、次の項目で具体的に見ていきましょう。

実際にあったカスハラ事例

東京ディズニーリゾートの明確な対応方針

東京ディズニーリゾートを運営するオリエンタルランドは、カスハラに該当する行為を明確に示し、施設利用を断る方針を打ち出しました。従業員に対する威圧的な言動や土下座要求、盗撮行為、SNS上の誹謗中傷などを具体的に例示しています。これらの行為には警察への通報や法的措置を取ることも明記し、従業員が安心して働ける環境づくりを進めています。

万代タクシーが取り組む具体的対策

新潟市の万代タクシーでは、運送約款を改定し、運転手に対する暴言や無理な要求を行う乗客への対応策を定めました。具体的には、車内に「ストップ!カスハラ」のビラを掲示、防犯カメラやアクリル板を設置して乗客への抑止を促しています。運転手の尊厳を守る取り組みが効果を上げており、女性ドライバーも安心して勤務できるようになっています。

介護業界における深刻なカスハラ被害

日本介護支援専門員協会の調査によると、介護業界ではケアマネジャーの約33.7%がカスハラを経験しています。主な被害内容としては言葉の暴力や精神的な攻撃が多く、利用者の家族からの過度な要求も目立ちます。こうした状況を放置すると、職員の離職が進み、人手不足が深刻化する恐れがあります。業界団体は行政による相談窓口設置など、具体的な対策を求めています。次に、企業が具体的にどのような対策をとるべきか解説します。

企業が実施すべきカスハラ対策

企業がカスハラ対策として取り組むべきことは多岐にわたります。まず第一に、従業員向けの明確な対応マニュアルを作成することが重要です。マニュアルには、どのような行為がカスハラに該当するのか具体例を挙げ、対応手順や報告方法を詳細に記載します。また、定期的にマニュアルを見直し、更新を行うことで最新の事例や法的措置にも対応できるようにします。

さらに、定期的に外部の専門家を招いて研修やワークショップを行い、従業員がカスハラの事例や具体的な対処法を実践的に学べる機会を提供します。ロールプレイング形式で実際の対応を疑似体験することで、実務での対応力を向上させます。

カスハラが発生した際の警察や弁護士への相談方法を明確にすることも必要です。緊急時や深刻なケースに迅速に対応できるよう、連絡体制を整備し、相談先リストを共有することで従業員の不安を軽減します。

また、カスハラに遭った従業員に対する心理的ケア体制を充実させることも重要です。専門的なカウンセリングサービスや心理的サポートを提供する仕組みを整え、職場復帰後も継続的にフォローアップすることが求められます。

これらの総合的な取り組みにより、従業員が安心して働ける職場環境が整い、結果として従業員の定着率向上や企業の信頼性向上につながります。

カスハラ対策が採用活動に与える影響

企業が従業員の安全と安心を確保することは、採用活動にも非常に大きな影響を及ぼします。特に近年の労働市場において、求職者は単に給与や福利厚生だけでなく、職場環境や働きやすさを重視する傾向が強まっています。安全で安心できる職場環境は、企業選びの大きなポイントとなり、特に女性や若手を含む幅広い層から支持を得やすくなります。

例えば万代タクシーのように、防犯カメラの設置や明確な対応方針を掲げている企業は、具体的な対策を明示することで求職者に安心感を与え、企業ブランドの向上にもつながります。また、カスハラ対策が整備されている企業は従業員の離職率が低く、職場の定着率も高まります。これは採用活動においてもポジティブな要素として働き、新たな人材の確保やリテンション率向上にも役立ちます。

さらに、企業が積極的にカスハラ対策を推進していることをPRすることにより、求職者だけでなく、その家族や周囲からの信頼も得られます。安心安全をアピールできる職場は、人材の質を高めることにもつながり、企業の長期的な成長を支える重要な要素となります。これらのことからも、明確かつ実効性のあるカスハラ対策は、現代の企業における採用活動において欠かせない戦略と言えるでしょう。

よくある質問

カスハラの具体的な事例は?

カスハラの具体的な事例としては、威圧的態度や暴言、過剰なクレームや要求、土下座を強要する行為、長時間にわたる拘束、従業員の盗撮行為、SNSを利用した誹謗中傷などが挙げられます。

カスハラが起きた場合の企業側の具体的な対処法は?

カスハラが発生した場合、企業は明確な対応マニュアルを整備しておく必要があります。具体的には、カスハラが発生した際の対応フローを明文化し、従業員が上司や専門部署へ迅速に報告できるようにします。また、場合によっては警察や弁護士に相談し、法的措置を検討することも重要です。

カスハラの多い業界はどのような業界ですか?

カスハラが特に多い業界は、顧客と直接対面でサービスを提供する業界が中心です。具体的には、介護業界、サービス業(飲食店、ホテル、小売店)、交通機関(タクシー、バス、鉄道)、自治体窓口などが挙げられます。

カスハラ対策を行うことで得られる具体的なメリットは?

カスハラ対策を行うことで、従業員の精神的・身体的な安全が確保され、職場の雰囲気が改善されます。また、対策を明確に打ち出すことで企業ブランドが向上し、求職者への訴求力が高まります。結果として、従業員の定着率向上や採用活動の効率化に繋がります。

従業員がカスハラを受けた際の心理的ケアはどのようにすべきですか?

従業員がカスハラを受けた場合、企業は迅速に心理的サポートを提供する必要があります。具体的には、専門的なカウンセリングサービスの提供、定期的なヒアリングの実施、精神的に安心できる職場環境の整備が挙げられます。また、職場復帰後も継続的なフォローを行うことで、従業員の心理的負担を軽減することができます。

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ABOUT ME
採用人事コンサルタント 大岩貴文
大手メディアの求人広告営業を10年経験した後、経営コンサルタント唯一の国家資格である中小企業診断士の資格を取得。採用人事に強いコンサルタントとして、採用支援、研修講師、経営改善などを中心に活動中。経済産業省認定経営革新等支援機関、福岡県商工会連合会エキスパートバンク登録専門家。

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