近年の物価上昇や人手不足を背景に、新卒の初任給が上昇傾向にあります。帝国データバンクの調査によると、2025年4月入社の新卒の初任給を引き上げる企業は71%に達し、その平均引き上げ額は9,114円となっています。
いや〜、たまにニュースで初任給の話題を目にしますが、目を疑いますね笑。今の就活生は売り手市場であることをわかっていますし、条件面でもかなり恵まれています。
経営者や採用担当者にとって、競争力のある給与設定が求められる時代となりました。本記事では、最新データを基に初任給の動向を詳しく解説し、今後の採用戦略の参考になるポイントを紹介します。
2025年の初任給動向(最新データ)

まずは最新のデータをもとに、初任給の変化について詳しく見ていきましょう。企業規模や業界、学歴ごとの違いを明確にし、どのような要因が賃上げに影響を与えているのかを解説します。
帝国データバンクの調査結果のポイント
- 71%の企業が新卒の初任給を引き上げ予定
- 平均引き上げ額は9,114円、5割の企業が1万円以上引き上げ
- 初任給20万円以上の企業比率は75.2%(前年比+10.4ポイント)
企業規模別の初任給の違い
初任給の設定は企業規模によって大きく異なります。一般的に、大企業ほど高水準となる傾向があります。ここでは、規模別の初任給平均額を詳しく見ていきましょう。
- 大企業:215,900円
- 中企業:211,100円
- 小企業:206,000円
大企業ほど初任給が高くなる傾向があり、人材確保の観点からも中小企業は給与面での競争力を強化することが求められます。特に、福利厚生やキャリアアップ支援と組み合わせることで、総合的な魅力を高めることが重要です。
私の体験談:初任給の平均は年々上がっている

私は現在39歳ですが、最近の初任給の上昇にはとても驚いています。高校を卒業して初めて就職したときの初任給は約17万円だったと記憶しています。その後、専門学校を経てアパレル企業に入社した際も、初任給は20万円に届きませんでした。しかし、現在では賃上げの影響で初任給が30万円を超える企業も増えてきており、人手不足の対策として企業が本格的に取り組んでいる様子がうかがえます。
学歴別・業界別の初任給の実態

次に、学歴別や業界別の初任給について詳しく見ていきましょう。それぞれの傾向を分析し、企業がどのような対策を講じるべきかを考察します。
学歴別初任給(2024年度データ)
- 大学院卒:267,900円
- 大学卒:226,341円(前年比+4.01%)
- 専門学校卒:212,600円
- 高校卒:189,723円(前年比+4.71%)
高学歴になるほど初任給が高くなる傾向が見られます。
業界別の差
- 高給業界(IT、コンサル、建設など):初任給30万円台の企業も増加
- 地域別の違い:東京の平均初任給は225,000円と全国より高め
企業が初任給を引き上げる理由

なぜ企業が初任給を引き上げているのでしょうか?その背景には、経済状況の変化や労働市場の動向が大きく影響しています。物価の上昇に伴う生活費の増加や、深刻化する人手不足が企業にとっての大きな課題となっており、初任給の見直しが避けられない状況となっています。
1. 人手不足の深刻化
新卒市場においても人材の確保が年々難しくなってきており、企業はより良い条件を提示することで優秀な人材を引き寄せようとしています。その中でも初任給の引き上げは、採用成功の重要な要素となっています。近年では、給与面での競争が激化し、特に若手人材の獲得競争が熾烈になってきています。
2. 物価上昇と生活費の増加
物価高騰が続く中、新卒社員の生活を支えるために、企業も給与の見直しを進める必要に迫られています。特に都市部では家賃や物価の上昇が顕著であり、若手社員が安心して働ける環境を提供することが企業にとって重要な課題となっています。そのため、多くの企業が初任給の引き上げを実施し、優秀な人材の確保に力を入れています。
3. 競争力の強化
大手企業では、
- 大成建設やノジマが2025年入社の大卒初任給を30万円台に引き上げ予定
給与面での差が人材獲得の成否を左右する時代になっています。
経営者・採用担当者が考えるべきポイント

最後に、これからの新卒採用で企業が考慮すべき重要なポイントについて整理してみましょう。市場の動向を把握し、適切な採用戦略を立てることが求められます。
1. 自社の初任給水準は市場と合っているか?
競合企業と比較し、自社の給与水準が適正かを見直す必要があります。
2. 賃上げをする際の財源確保
- 助成金の活用(例:業務改善助成金)
- 給与体系の見直し(基本給と手当のバランス調整)
3. 給与以外の魅力を強化
- キャリアアップ支援(研修・資格取得支援)
- 柔軟な働き方(リモートワークの導入)
- 福利厚生の充実(住宅手当・育児支援)
まとめと今後の展望
この記事のポイントは以下の通りです。
- 初任給の上昇は今後も継続する可能性が高い
- 給与だけでなく、働きやすさやキャリアの魅力も重要
- 2025年の新卒採用に向け、早めの準備が成功のカギ
人材獲得競争が激化する中、初任給の見直しとともに、採用戦略全体を再考することが求められます。今後の採用成功のために、自社の強みを活かした施策を講じていきましょう。
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