高卒採用の面接質問では注意が必要です。なぜなら、高校生の採用では聞いてはいけないNG質問がルールで定められているからです。そのこと知らずに応募者に不適切な質問してしまうとハローワークから行政指導を受けるリスクもあります。
みなさんは、高卒採用の面接で聞いてはいけないNG質問についてご存知でしょうか?
- 聞いたことがあるけど、そこまで気にしていない
- 普通に話していたらいいんじゃないの?
- 面接は現場の責任者に任せているからよくわからない
そんな方は要注意。
このNG質問というのは非常に厄介で、相手をリラックスさせるためにした何気ない会話の中にもNG質問に該当するケースもあります。悪気はないのに知らず知らずのうちに聞いてしまうんですね。
この記事ではその疑問にお答えします!
この記事って信用できるの?そう感じられる方もいらっしゃると思います。ただ、ご安心ください。私は、求人広告の営業を10年経験した後、経営コンサルタント唯一の資格である中小企業診断士を取得して現在は独立して採用・人事の専門家として活動しているコンサルタントです。これまでの採用支援実績は800社以上、零細・中小企業から上場企業まであらゆる業界の採用を支援してまいりました。お役に立てる情報をお届けできるよう努めておりますのでよろしければ最後までお付き合いください。
それでは、内容に入っていきましょう!
高卒採用の面接を実施する時期
まずは簡単に高卒採用の流れについてみていきましょう。
もう十分わかっているよ、という方は読み飛ばしていただいて結構です。
高卒採用の採用スケジュールは以下のように定められています。
- 6月1日 ハローワークでの求人票申込受付開始
- 7月1日 ハローワーク確認済の求人票の返戻開始
- 9月5日 企業へ応募者の推薦開始
- 9月16日 企業による選考開始及び採用内定開始日
そのため、企業で面接を実施する時期は例年9月中旬~下旬ごろです。
では次に今日のテーマである面接質問について、NG質問をしてしまったらどうなるのかをお伝えします。
NG質問をしてしまった場合のリスクとは?
企業としてまず気になるのは、NG質問をしてしまった際のリスクではないでしょうか?ここでは、NG質問によるリスクについてお伝えします。
進路指導の先生に生徒を紹介してもらえなくなるリスク
面接でNG質問をしてしまっても、そんなに大変なことにならないんじゃないの?
いえいえ、そんなに甘く考えない方がいいです。
採用活動は一旦、悪いイメージがついてしまうと取り返しがつきません。高校新卒は学校斡旋という就職方法が一般的で学校が企業と生徒の間に立っています。学校の先生から「あの会社の選考は良くなかった」と認識されてしまうと生徒を紹介してもらうのは困難でしょう。
一度イメージが落ちてしまうと取り戻すのには相当な時間と努力が必要です。
これは私たち個人でも同じですね。
ハローワークから行政指導を受けるリスク
面接でNG質問をしてしまうと、ハローワークに通報され、行政指導を受けるリスクがあります。
企業がNG質問をしていたと発覚する流れは以下のとおりです。
- 面接を終えた生徒と進路指導の先生もしくは親が会話
- 生徒にどんな質問をされたか確認する
- NG質問をされていたことが発覚
- ハローワークへ通報
- ハローワークから企業に対して確認、行政指導
他にもケースはあると思いますが上記がほとんどだと思います。
実は私も高校新卒で一度就職していますが、面接内容を先生に話していました。まぁ面接でちゃんと話せたか、手応えはどうなのか話すのは自然ですよね。
その会話の中でNG質問をされていないかも確認されるということです。
それでは、肝心のNG質問について詳しくみてきましょう。
就職差別につながるおそれがある14事項とは?
高卒採用のルールでは、本人の適正や能力に直接関係のないことを質問することを禁じています。その中で気を付けなければならないことは就職差別につながるような質問をしない、ということです。
就職差別につながるおそれがある事項は14項目あります。
本人に責任のない事項の把握
- 本籍・出生地に関すること
- 家族に関すること(職業・続柄・健康・病歴・地位・学歴・収入・資産など)
- 住宅状況に関すること(間取り・部屋数・住宅の種類・近隣の施設など)
- 生活環境・家庭環境などに関すること
本来自由であるべき事項(思想・信条にかかわること)の把握
- 宗教に関すること
- 支持政党に関すること
- 人生観・生活信条などに関すること
- 尊敬する人物に関すること
- 思想に関すること
- 労働組合(加入状況や活動歴など)、学生運動などの社会運動に関すること
- 購読新聞・雑誌・愛読書などに関すること
採用選考の方法
- 身元調査などの実施
- 本人の適性・能力に関係ない事項を含んだ応募書類の使用
- 合理的・客観的に必要性が認められない採用選考時の健康診断の実施
※上記の14事項は各職務に共通する事項ですが、これらに限らず、差別につながるおそれのある事項は排されなければなりません。
高卒採用の面接担当者は必ず目を通しておくことをおススメします。
就職差別につながるおそれがある14項目についてお伝えしましたが、少しわかりづらいと思います。次の項目では面接での具体的な会話例を見ていきましょう。
具体的な面接での会話例
ここでは、実際の面接でよくありがちなNG例をいくつかご紹介します。相手をリラックスさせるために発したことでもNG質問であるケースがあるので注意が必要です。
NG例:自宅はどこですか?
面接を始める際、場を和らげたい時に「どこから来たの?」とか「どうやって来たの?」という会話から入ることもありますよね。でも本人に責任のない事項の把握につながるので住宅状況や生活環境に関することは控えましょう。
場を和らげるなら別の話題にしましょう。
NG例:家族構成を教えてください
他に例を挙げると「何人兄弟ですか?」とかもNGです。本人以外の家族に関することは聞いてはいけない質問です。
これも人と人の会話であればよくある質問だと思いますが、高卒採用の面接では適切ではありません。
NG例:休日は何をしていますか?
これも初めて会う人とはよく会話しそうな話題ですよね。実は、この質問もNGです。他にも、部活動をしていない生徒に「どうして帰宅部だったの?」と聞くのもダメです。休日の活動や部活をしなかったことに家庭環境が影響している場合があります。
悪気はなくとも本人を傷つけたり、動揺させてしまう恐れがあるので十分な配慮が必要です。
私の体験談(企業からNG質問をされていた)
先ほど、実は私も高校新卒で就職したとお話しました。
私は当時は勉強するよりも一度働いてみたい、という気持ちが強かったんですね。今思えば子供だったこともあり、自宅から近いという理由で大手物流会社の事務職の求人に応募しました。
選考を受けた結果、内定となりそのまま入社したわけですが、面接ではNG質問をされていました。
- 「尊敬する人は誰ですか?」
- 「お父さん、お母さんは働いてますか?何してますか?」
そんなことを普通に質問に答えていました(笑)。
面接に落ちたくないしトラブルになるもの避けたい、そんな心理だったからでしょうか。まぁ悪い気もしていなかったのも事実です。
しかし、ハローワークの公表している事例をみると悪質なケースもあるので、企業はきちんとルールを守った選考を行いたいものですね。
まとめ
今日の内容はいかがでしたでしょうか?
高卒採用の面接質問はNG質問がある、というテーマでしたが本当に知らず知らずのうちに聞いてしまいそうなものも含まれています。せっかくの採用活動です。余計なトラブルを避けるためにも、採用担当者だけでなく、面接を担当する可能性がある人は事前にNG質問について確認しておきましょう。
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