高校新卒採用は、一般の中途採用と異なり、求人申込や学校訪問、推薦、選考を始められる時期が決まっています。2027年3月卒の採用では、ハローワークの求人受付が2026年6月1日、学校への求人申込・学校訪問が7月1日、応募書類の提出が9月5日、選考と内定が9月16日から始まります。

ただし、6月になってから求人票を作り始めるのでは遅れがちです。採用人数、求める人物像、学校への伝え方、職場見学の内容を春までに整理しておくと、7月以降の活動を進めやすくなります。

この記事では、2027年3月卒の全国共通の基本日程と、企業が各時期に準備することを時系列で整理します。複数応募の開始時期などは地域によって異なるため、最後に確認方法も説明します。

2027年3月卒の高卒採用スケジュール

厚生労働省が公表している全国共通の基本日程は、次のとおりです。

時期 企業・学校の動き 企業が行うこと
2026年6月1日以降 ハローワークが高卒求人の申込受付を開始 求人申込書を管轄ハローワークへ提出
2026年7月1日以降 企業による学校への求人申込・学校訪問を開始 確認済み求人票を学校へ提出し、訪問・説明を行う
2026年9月5日以降 学校から企業へ生徒の応募書類提出を開始 応募書類を受け取り、選考準備を行う
2026年9月16日以降 企業の選考と採用内定を開始 面接・選考を行い、学校と本人へ結果を通知

出典:厚生労働省「中学校・高等学校卒業予定者の就職・採用活動時期について」(2026年9月2日確認)

この日程は「その日から準備を始める」という意味ではありません。例えば7月1日から学校へ求人票を届けたい場合、5月までに採用条件や仕事内容を整理し、6月の早い段階でハローワークへ申し込める状態をつくる必要があります。

高卒採用は前年秋から5月までの準備で差がつく

高卒採用を初めて行う企業は、前年秋から採用計画を考え始めると余裕を持って進められます。少なくとも求人受付が始まる6月までに、次の項目を整理しておきましょう。

  • なぜ高校新卒を採用するのか
  • 何人を、どの職種・配属先で採用するのか
  • 入社後にどのように教え、何年後に何を任せるのか
  • 高校生や保護者が不安に感じる点は何か
  • どの地域・学校へ求人を案内するのか
  • 職場見学で何を見せ、誰が説明するのか
  • 面接で何を確認し、どの基準で判断するのか

「若い人がほしい」だけでは、求人票や学校訪問で伝える内容が曖昧になります。まずは、入社後の仕事と育成の道筋まで具体化することが大切です。

1〜3月:採用計画と育成体制を決める

採用人数、職種、配属、賃金、勤務時間、休日、選考方法を整理します。高卒採用では、採用後の受入れや育成も重要です。現場任せにせず、指導担当者、最初の3か月で教えること、困ったときの相談先まで決めておきます。

4〜5月:求人票・学校選定・職場見学を準備する

求人票には、仕事内容を高校生にも分かる言葉で記載します。社内だけで通じる職種名や専門用語を並べず、「誰のために、何を、どのように行う仕事か」「一日の流れ」「入社後に覚える順番」まで説明できる状態が理想です。

同時に、過去の採用実績、通勤圏、学科、学校の就職状況などを踏まえて、案内する学校を選びます。職場見学の日程、見学ルート、安全面、説明担当者もこの時期に準備します。

6月1日以降:ハローワークへ高卒求人を申し込む

2027年3月卒の高卒求人は、2026年6月1日からハローワークが受け付けます。高卒求人は、ハローワークが内容を確認した後に学校へ提出する流れです。

7月1日から学校への案内を始めたい場合は、6月上旬を目安に提出できるよう準備しておくとよいでしょう。ただし、必要書類や受付方法は管轄ハローワークによって案内が異なる場合があります。事前説明会の有無も含め、所在地を管轄するハローワークへ確認してください。

求人申込前には、次の点を再確認します。

  • 求人数は実際の採用計画と一致しているか
  • 賃金、手当、就業時間、休日に誤りがないか
  • 仕事内容が高校生にも理解できるか
  • 受動喫煙対策や就業場所などの必要事項が記載されているか
  • 応募前職場見学の受入れ方法が決まっているか
  • 選考方法が適性・能力と関係する内容になっているか

7月1日以降:学校への求人申込と学校訪問を始める

2026年7月1日から、企業は学校へ求人票を提出し、学校訪問を始められます。学校訪問は、求人票を渡すだけの場ではありません。進路指導担当者が生徒へ説明できるように、仕事内容、育成、働く環境、採用したい理由を簡潔に伝える必要があります。

訪問前に学校へ連絡し、面談できる日時や求人票の送付方法を確認します。初回訪問では、次の内容を一枚にまとめておくと説明しやすくなります。

  • 会社と事業の概要
  • 募集職種と具体的な仕事内容
  • 入社後の教育・資格取得
  • 高校生を採用する理由
  • 職場見学の受入れ日時
  • 若手社員の働き方やキャリア例
  • 採用担当者の連絡先

学校への電話連絡や訪問準備は、関連記事「高校訪問のアポイントの取り方」「高校訪問のコツ」で詳しく解説します。

7〜8月:応募前職場見学で働く姿を具体化する

高校生にとって、求人票だけで仕事や職場を判断するのは簡単ではありません。職場見学では、設備や作業風景を見せるだけでなく、「入社後に最初に覚えること」「誰が教えるか」「一日の働き方」まで説明します。

良い面だけを強調せず、仕事の大変さや安全上の注意も伝えることが、入社後のミスマッチを減らすうえで重要です。生徒本人へ応募を迫ったり、その場で選考にあたる質問をしたりせず、学校やハローワークの案内に沿って実施します。

9月5日以降:学校から応募書類を受け取る

学校から企業への応募書類提出は、2026年9月5日から始まります。応募書類を受け取ったら、9月16日以降の選考日程を学校と調整します。

応募状況だけで計画を判断せず、応募がない場合は学校へ募集継続を伝えます。求人票の伝わり方、職場見学の参加状況、学校への説明内容も振り返り、可能な範囲で改善します。

9月16日以降:選考・採用内定を始める

企業による選考と採用内定は、2026年9月16日から始まります。選考では、本人の適性・能力と関係のない家族、出身地、思想・信条などを把握する質問を避け、公正な採用選考を行います。

評価項目は面接官ごとに変えず、事前に基準をそろえます。例えば、仕事への理解、必要な行動特性、学ぶ姿勢、安全への意識など、実際の職務と関係する項目で判断します。

採否は速やかに学校と本人へ伝えます。内定後は、入社までの連絡、必要書類、行事、相談窓口を明確にし、不安を残さないようにします。

一人一社制と複数応募の開始時期は地域ごとに確認する

高卒採用では、一定期間、一人一社の応募・推薦とする慣行があります。ただし、複数応募を始める時期や条件は都道府県ごとの申し合わせで異なります。

全国一律に「10月から二社応募できる」「11月まで一社しか応募できない」と判断せず、事業所所在地の労働局、ハローワーク、学校の最新案内を確認してください。複数の都道府県から採用する場合は、応募者の学校が所在する地域のルールも確認した方がよいでしょう。

日程に間に合わなかった場合も募集を止める必要はない

7月1日に学校訪問できなかった、9月16日までに応募がなかったという理由だけで、高卒採用を終える必要はありません。募集が続いていることを学校へ伝え、職場見学の受入れや求人内容の説明を継続します。

一方で、求人条件の安易な変更や採用計画にない追加募集は避けます。何を変更できるかは、管轄ハローワークへ相談してください。翌年度の採用を見据え、学校との関係づくりや受入れ体制の改善を続けることも重要です。

高卒採用スケジュールでよくある質問

高卒求人はいつからハローワークへ申し込めますか?

2027年3月卒向けの高卒求人は、2026年6月1日から申し込めます。7月1日から学校へ案内できるよう、採用条件と求人票の原稿は5月までに整理しておくと進めやすくなります。

高校への求人票提出と学校訪問はいつからですか?

2026年7月1日からです。訪問前に学校へ連絡し、日時や求人票の受け取り方法を確認してください。

高校生の応募と企業の選考はいつからですか?

学校から企業への応募書類提出は2026年9月5日、企業の選考・採用内定は9月16日からです。選考開始前に面接などを行わないよう注意します。

高校生は一人一社しか応募できませんか?

一定期間は一人一社とする地域が多いものの、複数応募の開始時期と条件は都道府県ごとに異なります。必ず所在地の労働局・ハローワーク・学校の最新申し合わせを確認してください。

9月に応募がなくても採用を続けられますか?

求人が有効で採用枠が残っていれば、学校への案内や職場見学の受入れを継続できます。応募がない原因を求人票、学校選定、説明内容、職場見学に分けて見直しましょう。

まとめ|日程の確認と準備の前倒しをセットで進める

2027年3月卒の高卒採用は、6月1日に求人受付、7月1日に学校への求人申込・学校訪問、9月5日に応募書類提出、9月16日に選考・内定が始まります。

大切なのは日付を覚えることではなく、その日までに採用計画、求人票、学校への説明、職場見学、選考基準を完成させることです。初めて取り組む場合は、前年秋から準備を始めると、7月以降の活動を計画的に進められます。

求人票を作る前に、採用課題の原因を整理しませんか?

求人票を整えても応募が集まらない場合、問題は媒体ではなく、募集する仕事やターゲットの整理にあるかもしれません。

この無料ワークは、実名で公開している支援事例のほとんどで、採用支援の最初に実施してきた方法です。「職種・勤務地・雇用形態・ターゲット」を一つずつ分解して一覧にすることで、募集条件のズレや優先すべき採用枠が見えやすくなります。

学校訪問や求人票の作成に入る前に整理しておけば、手当たり次第に求人を出すのを防ぎ、限られた時間と費用を次の打ち手へ集中させやすくなります。

高卒採用のスケジュール、学校選定、求人票、職場見学、面接まで自社だけで組み立てにくい場合は、中小企業向け採用支援の内容と進め方をご確認ください。

ABOUT ME
採用人事コンサルタント 大岩貴文
求人広告の営業として10年間、中小企業の採用現場を見続けてきました。「採用の問題は、経営の問題」と確信し、中小企業診断士(経営コンサルタント唯一の国家資格)を取得。今は採用戦略・人材育成・経営改善を手がけるコンサルタントとして活動しています。「いい人が来ない」「採っても辞めてしまう」——そんなお悩み、ぜひご相談ください。経済産業省認定経営革新等支援機関 / 中小企業基盤整備機構経営アドバイザー