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社会的手抜き(リンゲルマン効果)を防ぐ!チーム運営のポイント5選

社会的手抜きとは、個人が集団で作業をする際に、自分の貢献を減らしてしまう現象を指します。例えば、一人の力が10だとすると、3人集まれば単純に30になるはずですが、実際には20や15程度にパフォーマンスが低下してしまうことがあります。

採用コンサルタント:大岩

チームで仕事をすると、どうしても起きてしまうのが「社会的手抜き」です。理想は一人ひとりのパフォーマンスを発揮して大きな成果につなげることですが、実際にはなかなかうまくいかないケースもあります。

この記事では、そんな社会的手抜きがなぜ起こるのか、そしてそれを防ぐためのチーム運営のポイントについて詳しく解説していきます。

社会的手抜きとは?

社会的手抜きは、チームでの作業において、一人ひとりの努力や集中力が低下しやすくなる現象です。特に、チームの人数が多くなると「他の誰かがやってくれるだろう」という気持ちが生まれ、結果として全体の生産性が落ちてしまうことがあります。これは「リンゲルマン効果」とも呼ばれ、フランスの農学者マクシミリアン・リンゲルマンによって提唱されました。

社会的手抜きはなぜ問題なのか?

「自分がやらなくても誰かがやるだろう」という心理が働き、結果として個人の努力や責任感が薄れてしまいます。そのため、全体のアウトプットが減少し、チームの生産性が著しく低下する恐れがあります。さらに、そうした状態が続くと、プロジェクトの遅延や品質の低下を招き、最終的には企業全体の業績や信頼にも悪影響を及ぼす可能性があります。

リンゲルマンの有名な実験

リンゲルマンは、集団作業における個人のパフォーマンス低下を調べるために、綱引きの実験を行いました。この実験では、参加者の人数によって1人あたりの力の出力がどのように変化するかを計測しました。その結果、参加人数が増えるほど、1人あたりの力の出力が低下する傾向が明らかになりました。これは「リンゲルマン効果」と呼ばれ、集団内での個人のモチベーションや責任感が薄れることが原因と考えられています。

  • 2人で作業:93%
  • 3人で作業:85%
  • 4人で作業:77%
  • 5人で作業:70%
  • 8人で作業:49%

つまり、人数が増えるほど1人あたりの力の出力は低下します。

人数が増えると、なぜ手抜きが起こるのか?

「誰かがやるだろう」という心理が働くことで、自分が手を抜いても他の誰かがその分を補ってくれるだろうという甘えが生まれます。さらに、責任の所在が不明確になることによって、自分がどこまで貢献すべきかの線引きが曖昧になり、主体的に行動しようという意識が薄れてしまいます。これが積み重なると、結果としてチーム全体の貢献度が大きく下がり、パフォーマンスの低下を招くのです。

社会的手抜きが起こる3つの原因

① 当事者意識の低下

チーム全体で動くと「自分がやらなくても大丈夫だろう」と感じがちです。特に役割分担が曖昧な場合、この傾向は強まります。プロジェクトで「誰でもできる業務」を担当すると、他のメンバーがフォローするだろうと思い、作業を後回しにするケースです。

② 同調行動

他のメンバーがあまり積極的でない場合、「自分も頑張らなくてもよい」と感じてしまいます。会議中に誰も発言しないと、つい自分も黙ってしまうことがあります。それと似た心理です。

③ 貢献意欲の低下

「頑張っても評価されない」と感じると、やる気がなくなります。成果が見えづらい業務や、チームの目標が不明確な場合に起こりがちです。営業チームで、自分の成果がチーム全体の数字に埋もれてしまい、個別の評価がされないと感じると、モチベーションが下がります。

社会的手抜きを防ぐ5つの対策

これまで、社会的手抜きの意味や原因について詳しく解説してきました。では、実際の現場でこの問題をどのように防げばよいのでしょうか?ここからは、チームの生産性を向上させ、社会的手抜きを効果的に抑止するための5つの具体的な対策を紹介します。

① チームの人数を小さくする

人数を減らすことで、個々の責任感と当事者意識が高まります。3〜5人の小規模チームでタスクを割り振ると、一人ひとりが「自分がやらなければ」と感じやすくなります。

② 役割分担を明確にする

「誰が何をするのか」をはっきり決めましょう。資料作成はAさん、プレゼンはBさんといった形で担当を明確にします。

③ 貢献を可視化・評価する

個人の頑張りを数値やレポートで可視化し、評価に反映させることが大切です。営業目標を個別に設定し、毎週の進捗報告を行うと、成果が見えやすくなります。

④ 1on1ミーティングを定期開催する

定期的に個別ミーティングを行い、フィードバックや課題の共有を行います。月に1回の1on1で進捗確認や悩みを聞くことで、メンバーのモチベーションを維持します。

⑤ ミッション・ビジョンを共有する

「なぜこの業務を行うのか」という目的を共有し、チーム全員のベクトルを合わせます。プロジェクト開始時にミッションを共有し、ゴール達成後のイメージをチームで描くことで、一体感が生まれます。

私の体験談:求人広告メディア営業時代の実例

私は元求人広告メディアの営業として勤務していました。勤めていた会社でも、「社会的手抜き」の問題を非常に気にしていたことを思い出します。

当時、会社の評価制度は個人の営業成績が中心でした。しかし、ある時期からチームの業績で評価される仕組みに変更されました。この制度変更によって、それまでは自分の数字だけを追いかければ良かった営業担当者が、チーム全体の目標達成に責任を持つことになったのです。

特にチームリーダーは、自分の目標だけでなく、達成が難しいメンバーの分までカバーしなければならない場面が増えました。一見、チームで助け合う良い制度のように思えましたが、結果として一部のメンバーへの負担が偏り、不公平感が生まれることもありました。

この経験から学んだのは、「チームで働く」という仕組みが必ずしも良い結果を生むわけではないということです。大切なのは、個々の貢献度や成果をしっかりと定量的に示し、公平な評価を行うこと。そして、誰かにだけ負担が集中しない職場づくりを目指すことが重要だと感じています。

まとめ

最後に、この記事のまとめです。

  • 社会的手抜きは「集団作業で起こりやすい心理現象」です。
  • 放置するとチームの生産性が大きく低下します。
  • 少人数チーム・役割の明確化・評価の可視化などが有効な対策です。

👉 チームの生産性向上に悩んでいるなら、ぜひ今回の対策を実践してみてください!

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ABOUT ME
採用人事コンサルタント 大岩貴文
大手メディアの求人広告営業を10年経験した後、経営コンサルタント唯一の国家資格である中小企業診断士の資格を取得。採用人事に強いコンサルタントとして、採用支援、研修講師、経営改善などを中心に活動中。経済産業省認定経営革新等支援機関、福岡県商工会連合会エキスパートバンク登録専門家。

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