地方企業が直面する課題のひとつに、「若者の人材不足」や「定着率の低さ」があります。特に近年、地方における若者の職業意識の変化が地方就職に影響を与えています。
私は福岡県を拠点に、地方都市の企業を対象に採用支援を行なっています。その前線で感じることは、とにかく若手の採用が厳しいということです。社員の高齢化に悩む企業も増えている中で地方採用の戦略が必要になっています。
そこで今回は、労働政策研究・研修機構が発表している『地方の若者のキャリアの変化と職業意識-北海道・長野調査および東京都調査との比較から-(労働政策研究報告書 No.231)』をもとに、地方の若者の職業意識やキャリアの傾向を分析し、地方採用を成功させるための戦略を考えていきます。
地方の若者のキャリア意識の実態

レポート『地方の若者のキャリアの変化と職業意識』によると、地方の若者の職業意識には、都市部(特に東京)との明確な違いがあります。地方の若者は「今を楽しむこと」や「やりたいことを優先する」といった現在志向が強い傾向にあります。一方で、東京の若者はより安定志向で、「フリーランス志向」や「専門技術志向」が強く現れています。
また、若者の「仕事離れ」は都市・地方を問わず見られるものの、特に地方の女性においてはこの傾向が顕著です。こうした職業意識の変化が地方企業の若者採用に難しさを生じさせています。
地方採用に影響する地域別キャリア形成の傾向

意識調査が行われたのは長野県と北海道です。なぜこの地域が選ばれたかというと、それぞれの地域で異なる産業構造や雇用環境が特徴的であり、地方における若者の職業意識やキャリア形成の多様なパターンを捉えることができるためです。これにより、地方採用における具体的な課題や成功要因を明らかにしやすくなっています。
長野県は製造業を中心に若者が比較的安定的に就業できる環境が整っており、特に高卒層の正社員就職率が高い特徴があります。その背景には地域の産業構造が安定した雇用を生み出していることが挙げられます。
北海道は医療や福祉など社会サービス分野の産業が中心ですが、正社員としての就業環境が相対的に厳しく、非正規雇用が固定化する課題が見られます。これら地域特性を踏まえた採用活動が重要です。
地方企業が若者採用を成功させるためのポイント

それでは、地方企業が若者採用を成功させるために押さえておきたい重要なポイントを具体的に解説します。
- 地域特性を理解した求人活動
- 安定性や専門性を訴求する求人情報の作成。
- 地域の若者が求める職業的価値観を理解し、それにマッチしたメッセージを伝えること。
- ソーシャルネットワークの活用
- 若者の人間関係や地域のネットワークを活かし、信頼感や安心感を持たせる採用手法の導入。
- 地域コミュニティや既存社員のつながりを利用した採用・定着促進活動。
- 非正規層からの正社員化支援
- フリーターや中退者など、安定雇用を求める層へのアプローチ。
- 公的支援機関(ハローワーク等)との連携による就労支援プログラムの活用。
まとめ

地方企業が若者採用を成功させるためには、地域特性に基づいた適切なメッセージングと、若者が求める働き方やキャリア形成へのニーズを的確に捉えることが必要です。
経営者・採用担当者の皆さまには、自社の採用戦略を再検討し、地方採用を成功へ導くために具体的な行動を始めていただきたいと思います。
Q&A
Q1: 地方企業が若者採用で最も注意すべきことは何ですか?
A1: 地域特性を理解した求人活動と、地域の若者の職業価値観に沿ったメッセージングが重要です。
Q2: 地方のフリーターや非正規雇用者を正社員化する具体的な方法は?
A2: 公的機関との連携による就労支援プログラムや、ソーシャルネットワークを活用した安心感を与える採用活動が有効です。
Q3: 若者の仕事離れに対処するための効果的な取り組みは?
A3: 若者のキャリア志向を理解し、働く価値や職業的な成長を明確に伝えることが重要です。社内の働き方改善やキャリア支援策も有効です。
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