若手採用に有効な施策とはどんなものでしょうか?特に大卒採用は競争が激化していて初任給の引き上げなど、待遇改善に積極的な企業が増えています。そんな中、注目されているのが「奨学金返還支援制度」です。
この記事をご覧いただきたい方
- 若手の採用を強化したい
- 新卒採用で他社と差別化を図りたい
- 若手社員が定着するような施策を実施したい
この記事ではその疑問にお答えします!
この記事って信用できるの?そう感じられる方もいらっしゃると思います。ただ、ご安心ください。私は、求人広告の営業を10年経験した後、経営コンサルタント唯一の資格である中小企業診断士を取得して現在は独立して採用・人事の専門家として活動しているコンサルタントです。これまでの採用支援実績は800社以上、零細・中小企業から上場企業まであらゆる業界の採用を支援してまいりました。お役に立てる情報をお届けできるよう努めておりますのでよろしければ最後までお付き合いください。
それでは、内容に入っていきましょう!
奨学金返還支援制度とは?
まず、奨学金返還支援制度とは何ぞや、というところからお話しますね。
奨学金返還支援制度とは、
本制度は、機構の貸与奨学金(第一種奨学金・第二種奨学金)を受けていた社員に対し、企業が返還残額の一部または全額を支援する制度です。 本制度の支援(入金)方法は、企業から直接機構に送金していただきます。 社員にとっての本制度のメリットは、支援を受けた額の所得税が非課税となり得ることです。日本学生支援機構HPより
ようするに奨学金の返済を企業が肩代わりしますよ、ということですね。
最近の傾向として、この奨学金返還支援制度に取組む企業が増えています。どのくらいの企業が取り入れているかというと、令和5年12月末時点で、全国で1,463社が奨学金返還支援(代理返還)制度を利用しています。
1年前に比べて約2.5倍に増えているそうです。
奨学金返還支援制度はかなりニーズが高まっているとみて間違いなさそうですね。ここまで急速に利用企業が増えているのは奨学金を利用している学生が多いからではないでしょうか?
では、そもそも奨学金を利用する学生はどのくらいいるのかみていきましょう!
奨学金を利用する大学生はどのくらいいる?
調べてみると奨学金を利用している学生はおよそ2人に1人の割合でした。
具体的には、日本学生支援機構「令和2年度 学生生活調査では以下のような結果が公表されています。
- 大学(昼間部)49.6%
- 短期大学(昼間部)56.9%
- 大学院修士課程49.5%
- 大学院博士課程52.2%
奨学金を借りる人は多いイメージですけど、改めて数字でみると何となく実態がわかりますね。
私の奥さんも奨学金を利用していましたが、当然返済しなければなりません。給付型もありますがまだまだ貸与型が一般的です。
借りる額によりますが、大体月々の返済は1万5千円~2万円程度でしょうか。就職したての段階でこの金額をコツコツ返していくのは結構きついですよね。
企業による奨学金の肩代わりが増えているのも、こんな若手の懐事情を鑑みてのことなのでしょう。
それでは、奨学金返還支援制度を活用する企業のメリットはどのようなものなのでしょうか?
奨学金返還支援制度を活用する企業のメリットは?
若手社員の奨学金を企業側が肩代わりすることのメリットはたくさんあります!4点挙げていますが一つ一つみていきましょう!
若手採用の強力な訴求になる
実質、これが一番のメリットだと思います。若手採用が激化する中で、企業側がいくら採用に力をいれてもなかなかライバルをおさえて優秀な人材を確保するのは至難の業です。
奨学金の返済を控えている人からすると、「あの会社に入れれば他の会社よりもお金に困ることはなさそうだ」となるはずです。
実質賃上げでしょうが、若手社員に絞った施策なので企業負担もそこまで大きくありません。
- 採用面でライバルと差別化したい!
- 他社と天秤にかけられた時に少しでも多くの人から自社を選んで欲しい!
そんな企業が奨学金返還支援制度を導入している状況です。
人材の定着施策としても期待できる
さらに、定着施策にも効果があります。
あなたは新卒で入社した人が辞める割合をご存知でしょうか?
高卒・大卒で若干違いますが、厚生労働省が2020年に調査した結果では新卒入社後、3年で3~4割の人が辞めていくことが分かっています。
せっかく育てたのにもったいないですよね。そこで、今回の奨学金返還支援制度が有効なんです。
奨学金の返済は一括ではなく、毎月払っていくもの。
たとえ仕事がきつくて辞めたいと思っても「仕事を辞めたら自分で奨学金を払っていかなければならない」そう考えると多少のことでは辞めないでしょう。
学資に充てる費用は損金算入ができ法人税の減税につながる
税金の面でもメリットがあります。
企業側が支援したお金は学資に充てる費用となるため、損金算入ができ、法人税の減額が見込まれます。
税制上の優遇措置があるということですね!
採用ブランディングとしても効果あり
若手採用の強力な訴求になるとお伝えしましたが、奨学金返還支援制度を導入することで企業として若手社員に優しい会社であると認識されやすくなります。
特に中小企業は大企業に比べて給与や待遇で競ってもどうしても負けてしまいます。当然資本力があるのは大企業ですから。
では、中小企業はどのように採用活動を進めたらいいのでしょうか?
そこで大事なのが「採用ブランディング」なんです。ようは「この会社好きだな」とか「ちゃんとしてる会社だ」とイメージしてもらうこと。
奨学金返還支援制度はまさに採用ブランド作りにつながる施策なんですね。
まとめ
今日は奨学金返還支援制度についてお伝えしました。
実は、奨学金返還支援制度については以前から採用支援の現場ではよく耳にしていました。具体的には2020年頃でしょうか。
商談の時によく雑談していたのですが、ある小売業の採用担当者さんはつい最近奨学金を返し終えたばかりということで、自分が新人の時に奨学金返還支援制度があればとため息をつかれてました。
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