「最近、若者がどんどん採用できなくなっている…。」そんな声が地方や中小企業の現場から聞こえてきます。少子高齢化による若者人口の減少に加え、若者の働き方や選択肢が大きく変化していることが背景にあります。
私の支援先のほとんどは社員さんが高齢化しています。若返りのために採用を強化してもなかなか若手が応募してくれない…。そんなことはよくある話ですが、工夫次第で若手も採用できます!採用市場の傾向と対策をお伝えしますね。
大企業への集中、都市部への流出、フリーランスの増加、さらには海外への進出。若者の行動は多様化し、従来の雇用形態だけでは彼らをつなぎとめるのが難しくなっています。この記事では、こうした現状を分析し、若者が「選びたくなる」働き方の未来について考えていきます。
1. 若者の人口減少が招く影響
少子化の影響で、日本の若者人口は年々減少しています。1990年代の出生率低下が今、労働市場を直撃している状況です。2040年には15~24歳の若者人口が800万人を切るとも言われており、働き手の減少が避けられない未来が見えています。
その結果、人材を巡る企業間の競争が激化しています。特に中小企業では「応募が全然来ない!」という嘆きの声も珍しくありません。若者不足は企業だけの問題ではなく、日本社会全体が直面する課題です。
次に、そんな少ない若者たちがどこに向かうのか、大企業に集中する理由を探ります。
2. 若者が大企業に集中する理由
若者にとって大企業は、やはり魅力的な選択肢です。高い給与、手厚い福利厚生、そして安定した経営基盤。この3つが揃うことで、多くの若者が安心感を求めて大企業に流れていきます。「大企業=安心」というイメージが、日本社会では根強く残っています。
一方で、中小企業の現実は厳しいものです。例えば、300人未満規模の企業では求人倍率が約6.2倍。企業側が必要とする人数を確保できない状況が続いています。ただし、ここで注目したいのが、採用活動を工夫することで結果を出している中小企業も存在する点です。
次に、地方から都市部への若者の流出について掘り下げてみましょう。
3. 都市部への若者流出とその影響
若者が地方を離れ、都市部に集まる理由は「選択肢の多さ」にあります。企業が集中する都市では仕事の幅が広く、賃金水準も地方に比べて高い。加えて、交通網や生活環境が整っているため、若者にとって都市は魅力的な場所です。
たとえば、2023年の東京都23区への転入者数は約40万人。そのうち半数以上が20代というデータからも、若者が都市を目指している現状が見て取れます。
しかし、地方もまだまだ負けてはいません。地域密着型の仕事や自然を活かした事業など、都市にはない魅力を持っています。また、新規事業を立ち上げることで、「ここでしかできない仕事」をアピールすることも可能です。
では、企業に縛られない働き方を選ぶ若者たちには、どのような傾向があるのでしょうか。
4. フリーランスを選ぶ若者たち
最近、「フリーランス」という言葉を耳にする機会が増えていませんか?自由な働き方を求める若者にとって、フリーランスはとても魅力的な選択肢です。インターネットの普及により、場所や時間に縛られず働ける環境が整ったことで、その動きがさらに加速しています。
2023年にはフリーランス人口が過去最高を記録しました。その多くが20~30代という若い世代です。自由な時間の使い方や自己実現を求める若者にとって、企業に属するという選択肢は必須ではなくなりつつあります。
一方で、フリーランスには収入の不安定さや福利厚生の不足といった課題もあります。それでも、「自由」という価値を重視する若者にとって、この働き方は今後も広がっていくでしょう。では次に、海外でキャリアを築く若者について見ていきましょう。
5. 海外へ流出する若者たち
国内だけでなく、海外に目を向ける若者も増えています。外務省の統計によると、2023年の海外在留邦人数は約71万人に達しました。この数は1989年の約34万人と比べて倍増しています。
彼らが海外を選ぶ理由は明確です。キャリアアップや高収入、より良い労働環境を求めての行動です。例えば、シンガポールやアメリカなどの地域では、日本人の若手エンジニアや専門職が高く評価されています。
日本国内でこうした優秀な若者を引き留めるためには、職場環境の改善が必要不可欠です。では、日本が未来に向けてどう変わるべきかを考えてみましょう。
6. 若者が「選ぶ働き方」のこれから
未来の労働市場で若者を引きつけるには、大胆な変化が求められます。特に地方や中小企業では、これまで通りの採用活動を続けているケースが多いですが、それでは若者の心を掴むのは難しいでしょう。
例えば、SNSや動画を活用して企業の魅力を伝える方法が効果的です。テキストや写真だけでは伝わりにくいメッセージも、動画を使えば若者に直感的に伝えることができます。また、新しいプロジェクトを立ち上げ、「ここでしか経験できない仕事」を提案するのも一つの戦略です。
人手不足を嘆くだけではなく、思い切って採用手法を変える。さらに、若者が働きがいや成長を感じられる環境を整えることが、選ばれる職場づくりの鍵となります。
まとめ
若者の働き方が多様化し、選択肢が広がる中、日本全体が変化を受け入れることが求められています。従来の枠にとらわれない採用活動や新たな取り組みを通じて、若者が「ここで働きたい」と思える環境を作っていきましょう。それが未来の日本を明るくする第一歩となるはずです。