クラウドファンディングの勉強会に参加した感想です。
クラウドファンディング、略してクラファン。
今まで聞いたことはある程度で、なかなかサイトを見たりする機会はありませんでしたが、いざ勉強会に出てみると大変興味深い内容でした!
クラファンを活用することで資金調達だけでなく、テストマーケティングができて支援者との接点をつくれる点がすごく良いなと。
これから中小企業診断士としてもマーケティング支援に入る際には活用するシーンが増えそうです。
今日お話しを伺ったのが、Makuake(マクアケ)のページ作成を代行されているニューワールド株式会社の方でしたのでMakuake(マクアケ)を中心としたインプットになっています。本記事の内容は情報に偏りがありますので、その点はご注意ください。
興味のある方は是非、最後までご覧くださいね。
クラウドファンディングの現状
クラウドファンディングは、日本では2011年の東日本大震災をきっかけに市場が拡大したそです。2020年の市場規模は購入型クラウドファンディングの場合で約169億円にまで成長していて、今後も市場拡大が予想されているとのこと。
すごいですね!
下記にクラウドファンディングのサイトをいくつか挙げていますが、サイトごとに「資金調達に強い」「マーケティング要素が強い」など特徴があるそうです。
- Makuake(マクアケ):https://www.makuake.com/
- READYFOR (レディーフォー):https://readyfor.jp/
- CAMPFIRE(キャンプファイヤー):https://camp-fire.jp/
全国の投資家が地域の事業者に投資をする具体的手法にクラウドファンディングが採用されているそうです。
知っておきたい専門用語
クラウドファンディングの説明を聞いていたのですが、やはりサイトをじっくり見たこともなかったため、専門用語が出てきた時に理解できないところがありました。
いくつか大事な用語をピックアップして解説します。
リターン
リターンと聞いてはじめは何のことかわからなかったのですが、品物やサービスなど出資してくれた方へのお礼という意味です。
サイト上では、出資する額に応じて品物やサービスに差をつけています。
普段の買い物でいう商品と捉えて大丈夫だと思います。
掲載する事業者側からすると、どのようにリターンを設計するかで出資してくれるか決まってくるので、かなり重要な部分ですね。
応援購入額
こちらは、売上と同じですね。Makuake(マクアケ)では出資を応援購入と表現されているようです。
ちなみに出資者はサポーターと表記されています。
キュレーター
クラウドファンディングならではのお仕事ではないでしょうか。
キュレーターさんとは、クラウドファンディングに掲載する事業者さんと一緒に企画の立案からプロジェクト終了まで伴走してくれる担当者のことです。
先ほどのリターンの設計やプロジェクト達成の障害になりそうなものを先に取り除いてくれる頼もしい存在。
サイト側もプロジェクトが目標額に達成しないと、掲載料を受け取れないような仕組みになっているようですので、サポートはしっかりされていそうです。
オールイン方式とオールオアナッシング方式
出品する際の方式で、オールイン方式はリターンが購入されたら目標額に達していなくてもリターンを発送しますよ、というものです。
逆にオールオアナッシング方式は、目標額に達しないと購入された方がいてもリターンは発送しません。購入した際の代金は返金されるそうです。
オールイン方式は一般販売を見据えて在庫を既に持っている、という事業者に合っている方式で、オールオアナッシング方式はまだ在庫を持っていない事業者にマッチしています。
オールオアナッシング方式だと、購入されてから製造する受注生産形式をとれるのでリスクは少ないですね。逆に出資者からすると、目標額に達しないとリターンが手に入らないのでたきつけられる感覚はありますね(笑)
Makuake(マクアケ)の特徴
簡単にMakuake(マクアケ)の特徴を教えてもらいましたが、新商品・サービスのテストマーケティングの場として利用されていることが多いそうです。
ざっとですが、
- 100万人以上の会員をもつ総合型プラットフォーム
- 一日20~40件の案件が公開されている
- 資金調達というよりも新商品・サービスの試験販売、実績づくり、ファンづくりに適している
このような感じです。
会員は30~50代の会社員が多く、新しいもの・珍しいものが好きというイノベーター志向の方が多いようです。
購入されやすい価格帯は3,000~12,000円で、一般消費者向けですから流行りのキャンプ用品やスポーツ、食品など日常に落とし込んだアイテムが選ばれやすい傾向とのこと。
ユーザー側の魅力
ユーザーである会員側の魅力をまとめてみました。
まだ世に出ていない新しい商品・サービスを購入できる
- 「赤から」の鍋スープ30番※通常は1~10番
- 「マルタイ」の新時代即席麺
などなど、サイトを見てみると日頃目にしないようなユニークで珍しい商品が並んでいます。ユーザーの一番の魅力はまだ世に出ていない商品・サービスを購入できる点ではないでしょうか。
プロジェクト掲載も知る人ぞ知る会社から有名企業まで幅広く、商品もチャレンジングでユニークなものがあります。
企業側もテストだから実現できるのでしょう。
ここでしか購入できない、プレミアム感は好きな人にはたまらないですよね。
一般販売よりも安く購入できる
購入できるリターンを見てみると、割引されていることが多いことに気が付きます。
詳しいルールは不明ですが、一般販売に移った際にマクアケで販売した額を一定期間は下回らないようにしないといけないそうです。
世に出ていない商品を早く・安く試せるのは嬉しいですよね!
ものづくりの想い・現場を知れる
モノがあふれている時代です。
消費者の志向は、なんでも良いというわけでなく、商品・サービスを提供している企業の考えや行動に共感をして買う人も増えています。
共感を重視するユーザーにとって嬉しいのが、掲載ページのコンテンツです。
ものづくりへの情熱やこだわりを社長の声や現場の写真・動画で確認できるので、共感を重視するユーザーには響くポイントではないでしょうか。
作り手とコミュニケーションが取れる
掲載された事業者の例を聞いていると、
事業者がサポーターから要望をDMでもらい、それが商品開発のヒントになり次の商品化につながったというケースが多いそうです。
ユーザーとしても、自分の声が商品に反映されると嬉しいですよね。
クラウドファンディングならではのやり取りだと思います。
事業者のクラウドファンディング活用メリット
ここからは事業者側のクラウドファンディング活用メリットを簡単に紹介します。
ファンを獲得でき売上が上がった
新商品・サービスを開発するにあたって、一番不安なのが市場に受け入れられるかですよね。単純に売れるかどうかがわからない。
クラウドファンディングでは、試験販売ができるので事前に売れるかどうかテストができます。
うまくファンを獲得できた事業者は、その後の一般販売や次のプロジェクトでも売上を確保できているそうです。
本業の販売促進にもつながった
少しややこしいですが、クラウドファンディングを利用することで、BtoCtoBにつながったということもあるようです。
よくあるプロジェクトは、BtoB(企業向け)企業がBtoC(一般消費者向け)に挑戦するという流れがあります。例えば、自動車部品製造の企業が製造技術を活かして一般消費者向けの製品を開発というものですね。
実際、BtoCに挑戦したことにより、本業の企業間取引での販売促進につながったというケースもあるようです。
事例企業では、クラウドファンディングの出資者の中に偶然、バイヤーさんがいたそうです。
思わぬ相乗効果が出ることもあるんですね。
若手の研修で活用
クラウドファンディングを研修として活用する企業もいるそうです。
若手を集めて商品企画からテストマーケティングまでクラウドファンディングのプロジェクトを通じて経験させるというもの。
実際にものづくりから商品販売までを経験できるのですごく勉強になりますよね。
座学だけでなく、実際に市場の反応をみれるのは大きいと思います。
エンドユーザーの声が新商品開発につながった
リターンを購入された方からのDMを元に新商品開発に活かす企業も多いようです。
ユーザーの声の中には、とても有用な情報があるそうで、企業側からすると盲点だったというケースも多いそうです。
直接エンドユーザーとつながれるのもクラウドファンディングの良いところですよね。
Makuake(マクアケ)掲載する際のポイント
Makuake(マクアケ)に掲載する方法は、自社で直接掲載する方法と今回お話しを伺ったニューワールド社のようなプロにお願いする二通りあるそうです。
プロにお願いするメリット
自分たちでもやろうと思えば掲載はできるそうですが、やはりプロに頼むメリットは大きいです。
プロに頼めば、商品の見せ方やコンテンツ内容、写真や動画撮影、入稿まですべてお任せできるので初めて掲載する時はプロにお願いするのも一案です。
- ページ作成の手間が削減できる
- ページのクオリティが上がる
- ベテランのキュレーターが担当してくれる可能性が高い
当然費用はかかりますが、時間や品質を買うと考えると良いですね。
色々とアドバイスをいただきながらマーケティングに集中するというのも成功の近道かもしれません。
もし、資金調達が必要であれば補助金の活用も頭に入れておきたいですよね
まとめ
今日は、クラウドファンディングについての話題でした。
個人的にはクラファンはBtoBを本業としている企業がBtoCに挑戦する際などで活用するとすごく良いのではないかと思います。
メーカーとユーザー双方向のコミュニケーションも生まれ、よりよい商品・サービスの開発につながるのではないでしょうか。
診断士としてマーケティングの支援をする際にも、テストマーケティングの手法として頭に入れておく必要があると感じました。
以上でございます。
最後までご覧いただき、ありがとうございました!