2025年も始まり、2026年卒の新卒採用に向けて動き出している採用担当者の方も多いことでしょう。3月の広報活動解禁を前に、何から手をつければよいか悩んでいませんか?振り返ると2025年卒の新卒採用市場は、過去最高水準の内定率や企業の初任給引き上げ、インターンシップの普及率向上など、大きな変化が見られました。
大卒の新卒採用マーケットは空前の売り手市場です。しっかりトレンドをおさえて採用活動につなげていきましょう!ぜひ最後までお付き合いください。
この記事では、2026年卒の新卒採用でぜひ知っておきたい最新トレンドをわかりやすくご紹介します。優秀な人材を迎え入れるためのヒントとして、ぜひ参考にしてみてくださいね。
トレンド1:高水準の内定率が示す早期化の加速
2025年卒の内定率が、2026年卒に向けた新卒採用の準備を考える上で重要な参考データとなっています。3月1日時点で40.3%、4月1日時点で58.1%、5月1日時点で72.4%、6月1日時点で82.1%、7月1日時点で88.1%、8月1日時点で91.2%と推移し、9月1日時点では94.2%と過去3年間で最も高い水準に達していました(出典:リクルート、プレスリリース、以下同)。この数字は、企業が早期に優秀な人材を確保しようとする動きを反映しており、就職活動の短期決戦化がさらに進んでいることを示しています。
具体的な対応策:
- 採用スケジュールを見直し、2026年卒の大学3年生が夏ごろから採用活動を本格化できる準備を整える。
- インターンシップを通じて学生と早期に接点を持ち、選考直結型プログラムを設けて関係を構築する。
トレンド2:初任給引き上げ競争の激化
企業の初任給引き上げが進み、84.4%の企業が増額を実施しています。増額幅は「1万円~2万円未満」が最多であり、学生からの注目を集めるために初任給の見直しが重要となっています。
具体的な対応策:
- 業界の初任給相場を調査し、自社の魅力度を高めるための適切な水準を設定する。
- 初任給だけでなく、福利厚生やキャリア形成支援など、総合的な魅力をアピールする。たとえば、リモートワークの推進、自己啓発支援金の提供、長期休暇制度の充実などが挙げられます。
トレンド3:インターンシップの普及率が過去最高に
2025年卒におけるインターンシップ実施率は61.3%で、コロナ禍前を超える過去最高の割合となっています。学生が企業文化を理解する場としてインターンシップの重要性が増しています。
具体的な対応策:
- 短期・長期インターンシップの導入を検討し、多様なプログラムを用意する。段階的に実施するのも有効で、参加者を対象にした選考直結型のインターンシップを企画することも効果的です。
- インターンシップ後に選考へスムーズにつなげるプロセスを整備する。具体的には、リクルーターにフォローさせる仕組みを構築し、リクルーター研修を実施して質を向上させることで、学生との信頼関係を深めることが重要です。
トレンド4:AI活用がもたらす採用活動の変化
生成系AIを利用して就職活動を行う学生が前年の約3倍に増加しており、AIを活用した履歴書作成や面接対策が一般化しています。たとえば、AIを使って自動で応募書類を生成したり、模擬面接で回答例を練習するケースが見られます。一方で、企業側もAIを採用活動に取り入れるケースが増えています。
具体的な対応策:
- AIを活用した応募書類の効率的なスクリーニングや適性検査の導入を検討する。ただし、これらは企業のリソースや採用戦略によっては必須ではないため、導入前に必要性を慎重に評価し、他の方法との比較検討を行うことが重要です。
- 学生がAIを使って作成した書類については、精査方法を工夫することで本質的なスキルや人柄を見極めることができます。たとえば、書類内容と面接での回答が一致しているかを確認したり、オリジナルな視点や表現を評価する基準を設けたりすると良いでしょう。たとえば、書類内容と面接時の回答との整合性を確認する、またはオリジナル性を評価する基準を設けるなど、具体的な施策を取り入れることが有効です。
トレンド5:売り手市場における採用競争の激化
新卒採用市場は引き続き売り手市場が続いており、企業は優秀な人材の獲得に苦戦しています。この状況下では、他社との差別化が重要です。
具体的な対応策:
- 自社の強みや独自性を明確にした採用メッセージを作成する。たとえば、あるIT企業では、エンジニアに特化したキャリアアップ支援制度を強調し、「自社で働くことで、世界をリードする技術者になれる」というメッセージを発信。結果として、高いスキルを持つ求職者からの応募が急増しました。
- 候補者一人ひとりに合わせたパーソナライズされたアプローチを行う。
まとめ:2025年新卒採用の成功に向けて
これまで、色んなトレンドをご紹介してきましたがいかがでしたでしょうか。
2026年に向けた新卒採用市場は、高内定率、初任給の引き上げ、インターンシップの普及、AI活用、売り手市場といったトレンドが注目されています。これらの変化に対応するためには、採用活動の早期化、柔軟な戦略の導入、そして学生に寄り添った対応が求められます。
2025年のデータでは、広報解禁の3月時点ですでに4割の学生が内定をもらっている状況なので、2026年に関しても同様になることを予想しています。競争のが非常に激しい採用市場となっていますが、適切な準備・体制を整えて優秀な人材を獲得できるようにベストを尽くしましょう!