建設業界では「求人を出しても応募が来ない」という声をよく耳にします。これは決して珍しいことではなく、多くの企業が直面している課題です。しかし、原因を理解し、対策を講じることで、状況を改善することは十分に可能です。
大学進学者が増え、現場作業に目を向ける若者が少なくなっています。ホワイトカラーはこれからどんどんAIに代替され、人が担う仕事は少なくなっていくでしょう。その流れは建設業や製造業にとって明るい話かもしれませんね!
本記事では、建設業の求人に応募が来ない理由と、私が現場で感じた実体験を交えた解決策をお伝えします。今すぐ取り組める内容ばかりなので、ぜひ参考にしてください。
なぜ建設業の求人に応募が来ないのか?

まず、建設業の求人が集まりにくい理由を整理します。業界全体に共通する問題と、個々の企業の取り組みによる違いが原因となっています。
主な原因
- 「きつい・危険・汚い(3K)」のイメージが根強い
- 他業種に比べ、賃金や福利厚生が見劣りする
- 将来のキャリアパスが見えにくく、不安を感じやすい
- 求人情報が簡素で魅力が伝わっていない
- 広告やPR活動が十分に行われていない
- 求人倍率が高く、求職者の取り合いになっている
たとえば、求人票に「未経験歓迎」「すぐ働けます」としか書いていないと、求職者には他社との差が見えません。そのため、応募が集まりにくくなるのです。
求人倍率の現状
特に建設業は、他業種と比べても有効求人倍率が非常に高い状況が続いています。例えば、2023年時点の厚生労働省の統計によると、全産業の平均有効求人倍率が約1.3倍であるのに対し、建設業は約4.9倍となっています。これは、1人の求職者に対して約5社の求人が存在する計算になり、まさに求職者の取り合いになっている状態です。
このような環境では、単に求人を出すだけでは効果が薄く、自社の魅力をしっかりと伝え、他社と差別化することがますます重要になっています。
建設業の採用支援をして感じる「応募が来る会社」と「来ない会社」の違い

私はこれまで建設業の採用支援を多数行ってきました。その経験から言えるのは、「採用には広報力が不可欠」ということです。しかし、広報が得意な人がいないのが、多くの建設会社の実情でもあります。
応募が来る会社の特徴
- リファラル(紹介)採用をうまく活用している
- 社内外での「コミュニティづくり」をしている
- SNSを活用し、日常的に会社の情報発信をしている
以下に、実際の事例を紹介します。
事例1:リファラル採用が基本
多くの企業では、社員や協力会社からの紹介が採用の中心になっています。紹介は信頼が前提となるため、応募に対する安心感があります。ただし、紹介が途切れると採用活動が停滞するため、新たな採用チャネルの構築が課題になります。
事例2:草野球チームを活用した採用
ある企業では、自社で草野球チームを結成し、社員の友人や知人を呼び込む活動を行っています。野球を通じた交流の場が、自然な形で採用のきっかけとなり、実際にチームメンバーの中から複数人の採用に成功しています。
事例3:社長自らSNSで情報発信
別の会社では、社長が自らSNS(Instagram・TikTokなど)で現場の様子や社員の働く姿を発信しています。その結果、若手求職者からの応募が増え、20代・30代の社員が中心の職場になりました。社長の情報発信は「親近感」と「安心感」を生み出し、応募者に良い印象を与えています。
広報力の必要性
採用は「広報活動」の一環です。しかし、多くの建設会社では「採用担当者」がいない、もしくは兼任で行っているため、広報が後回しになりがちです。会社の未来を左右する採用こそ、積極的な情報発信と広報戦略が必要だと実感しています。
応募が来ない状況を打破する!建設業の求人を改善する5つのポイント

応募を集めるためには、いくつかのポイントを押さえておく必要があります。以下に、私がおすすめする5つの改善策を紹介します。
1. 給与・福利厚生の見直し
給与や福利厚生は、求職者が最初にチェックする項目です。他業界と比較しても遜色ない条件を整えることが重要です。
- 賃金は最低賃金よりも大幅に上げる(同業他社より高水準を目指す)
- 社会保険や退職金制度を整備する
- 家賃補助や資格取得支援を導入し、生活をサポートする
2. キャリアパスとスキルアップの道筋を明確にする
「この会社で働き続けたらどうなるのか?」を示すことが、応募者の安心感に繋がります。
- 昇進例やキャリアアップの道筋を具体的に提示する
- 資格取得支援とキャリア形成をセットで説明する
- 実際に活躍している社員のインタビューを掲載する
3. 求人情報は「具体的に」「わかりやすく」「魅力的に」
求人票や採用ページは、会社の顔とも言えます。抽象的な表現は避け、具体性を持たせましょう。
- 仕事内容は「型枠大工」など職種名だけでなく、1日の仕事の流れを記載する
- 現場の写真や動画を掲載し、職場の雰囲気を伝える
- 社長や社員のコメントを入れ、働く人の生の声を届ける
4. 求人媒体と広報戦略を見直す
応募が集まる求人は、「見つけてもらう工夫」がされています。
- 大手求人サイト、地域密着型求人サイト、ハローワークを併用する
- 自社ホームページに採用ページを設け、SEO対策を行う
- InstagramやTikTokで社内の様子を日常的に発信する
5. 若手世代が「共感」する会社作り
若い世代は、条件面だけでなく、「共感」を重視します。
- 働きやすい環境を整える(休暇の取りやすさ、風通しの良い社風)
- 仕事の意義や地域貢献を打ち出し、やりがいを感じられるようにする
- 定期的な社員アンケートやミーティングで意見を吸い上げ、職場改善を進める
まとめ|小さな改善が「応募ゼロ」から「応募が来る」会社への第一歩

建設業の求人に応募が来ない理由は明確であり、対策も存在します。給与や福利厚生の見直し、キャリアパスの明確化、求人情報の充実、広報戦略の強化、そして若手が共感できる会社づくり。これらを一つずつ実行することが、応募者を増やす第一歩となります。
まずは、自社で取り組めることから始めましょう。
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