先日、ある会社の採用支援に入ったときの話です。

限られた支援期間でしたが、
求人の見直しや情報発信を行った結果、
応募はしっかり来るようになりました。

支援も一区切りついて、その後も様子を見守ることにしましたが、その時にお願いしていたことがあります。

応募が来たら、できるだけ早く対応してほしい。
面接日程も後回しにせず、すぐに決めてほしい。

採用はスピードが大事なので、
ここだけは意識してほしいとお伝えしていました。

ところが、案の定うまくいきません。

応募者への連絡が遅い。
面接日程の調整にも時間がかかる。
面接後の連絡も遅れる。

結果として、
良さそうな人ほど辞退してしまう。

採用の現場では、
実はこういうことがよく起きています。

採用は「応募」ではなく体験

最近、採用の世界では
候補者体験(Candidate Experience)
という言葉がよく使われます。

求職者が

・求人を知る
・企業を調べる
・応募する
・連絡を待つ
・面接を受ける
・結果を待つ

この一連のプロセスで感じる
印象や感情の総和のことです。

企業側は

「面接で何を聞くか」

に意識が向きがちですが、
求職者から見れば

応募から結果までのすべてが企業体験

です。

返信が早い会社は
「ちゃんとしている会社」に見える。

面接の案内が丁寧だと
「働く人も丁寧そう」と感じる。

逆に

連絡が遅い
調整に時間がかかる

こうしたことが続くと

「この会社はちゃんと対応してくれない」

と判断されてしまいます。

応募が来ても採用できない理由

中小企業の採用支援をしていると、

「応募が来ない」

という相談は多いですが、
実際には

応募が来ても採用できない

というケースも少なくありません。

原因は

給与でも
知名度でもなく、

採用プロセスの設計不足

です。

応募が来てから

「どうするんだっけ?」

と考える。

社内で相談する。
スケジュールを確認する。

この間に
数日経ってしまう。

求職者はその間にも
他の会社の面接を受けています。

採用では

早く動く会社が選ばれる

という現実があります。

採用は準備の仕事

本来、採用は

応募が来てから考えるものではなく、
応募が来る前に設計しておくものです。

例えば、WEB応募が来たとき。

すぐに返信できるように
メールのテンプレートを用意しておく。

「後で返そう」ではなく
当日中に返信するルールを決めておく。

面接日程も同じです。

よくあるのは

「社長の予定を確認します」

と言って
数日止まってしまうケースです。

あらかじめ

・面接可能な曜日
・面接可能な時間帯

を決めておけば、
応募当日に候補日を提示することもできます。

採用では

スピードは誠意として伝わります。

面接も設計できる

面接も
その場の雑談になりがちですが、
ある程度の型を作っておくと印象は変わります。

例えば

・会社説明
・仕事内容の説明
・応募者からの質問

という基本の流れです。

さらに

よく聞かれる質問

・残業はどのくらいか
・休日はどうなっているか
・給与の仕組み

こうした内容は
あらかじめ整理しておく。

もし面接で答えられない質問が出たら

「後日お答えします」

と伝え、きちんと連絡する。

それだけでも
企業への信頼感は変わります。

採用は会社の仕事力が表れる

面接の場で
会社の魅力を伝えることも大切ですが、

実際には

採用の進め方そのものが
会社の印象を作ります。

返信の早さ
調整のスムーズさ
説明の丁寧さ

こうしたところに

その会社の仕事の進め方や
組織の雰囲気が現れます。

採用は
求人広告だけで決まるものではありません。

応募者との
すべてのタッチポイント

その一つ一つが
会社の印象をつくります。

採用とは、
応募者とのタッチポイントを設計する仕事です。

ABOUT ME
採用人事コンサルタント 大岩貴文
大手メディアの求人広告営業を10年経験した後、経営コンサルタント唯一の国家資格である中小企業診断士の資格を取得。採用人事に強いコンサルタントとして、採用支援、研修講師、経営改善などを中心に活動中。経済産業省認定経営革新等支援機関、福岡県商工会連合会エキスパートバンク登録専門家。